エコキュートがうるさい原因を音別に診断!異音・室外機の対策と静音化する方法

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落合 祐太
第二種電気工事士/液化石油ガス設備士/ガス機器設置スペシャリスト 落合 祐太

エコキュート施工歴8年。

メーカー認定代行店として、給湯器・エコキュートの設置や修理に多数携わる。

電気・ガス両方の専門知識を活かし、正確でわかりやすい情報発信を行っています。

監修者
長谷川 きよみ

エコキュート・ガス給湯器専門ライター

長谷川 きよみ

エコキュート専門店スタッフ。住宅設備に関する幅広い知識を持つ。
自宅に設置したエコキュートの実際の使い心地をふまえた、分かりやすい情報をお届けします。
2児の母として、家庭で使いやすい設備選びや、日々の暮らしや家計に寄り添った発信を心がけています。

執筆者

こんにちは。エコキュート・省エネ設備専門店の Cools(クールス)です。

エコキュートの運転音が気になる、これから設置を検討していて「室外機の音が不安」と感じていませんか?

エコキュートの運転音は約40dB。図書館の館内や、静かな住宅街の昼間と同じくらいの大きさで、音の”大きさ”そのものはまず問題になりません。新幹線の車内が約70dB、エアコンの室外機が約60dBであることを考えると、数値の上ではむしろ静かな部類です。

それでもうるさいと感じてしまう本当の理由は、音の大きさではなく、①ヒートポンプユニットが出す低周波音②設置場所③季節(特に冬)の3つにあります。

ただし原因さえ分かれば、多くのケースはご自身で見分けて対処できます 修理や買い替えが本当に必要なのは、ごく一部の故障サインが出ているときだけです。

この記事は、エコキュートの音が気になる冬になって室外機がうるさくなった・カタカタ鳴るこれから設置を検討中で音が心配など、あなたの状況に合わせて、答えにたどり着けるようにわかりやすく解説していきます。

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目次

エコキュートの音は故障?どんな音?【音別セルフ診断】

エコキュートでうるさいと感じる音にも、放っておいて問題ないものと、早めに対処すべきものがあります。

そして、その2つは音の種類(聞こえ方)で、かなりの精度で見分けられます!

まずは下の一覧表で、ご自身が気になっている音の”擬音”を探してみてください。原因の見当と、緊急度、そして「誰に相談すればいいか」までが一目でわかります。

エコキュートの音は故障?それとも正常?
聞こえる音主に考えられる原因緊急度まず取るべき行動
ブーン/ウーン(低い唸り)低周波音・共振低(多くは正常)様子見+設置・防振の見直し
カタカタ/カラカラ本体の傾き・ファンの干渉・冬の凍結設置状態を確認/冬なら凍結を疑う
ポコポコ/ゴボゴボ/シャー配管・冷媒の動作音低(正常なことが多い)基本は様子見
キーン/ピーピー/キュルキュルモーター部の摩擦など高(故障の疑い)メーカー・業者へ連絡
ガガガ/ガリガリ異物の巻き込み・凍結高(要・即対応)すぐ沸き上げを停止して確認

それぞれの音について、なぜ鳴るのか?どうすればいいのか?を詳しく見ていきます。

「ブーン」「ウーン」と低く唸る音 = 低周波音・共振(多くは正常)

夜になると聞こえてくる、地を這うような低い「ブーン」「ウーン」という音。エコキュートの音の悩みで最も多いのがこのタイプです。

これは、ヒートポンプユニットが運転するときに出る低周波音で、機械が正常に動いていても発生します。

冷蔵庫の低い唸りをイメージするとわかりやすいでしょう。故障ではないケースがほとんどですが、低周波音は人によって感じ方の差が非常に大きく、敏感な方は不眠や頭痛につながることもあります。

また、この低周波音が建物と共振を起こすと、家全体がかすかに揺れている気がする…という独特の感覚が生まれます。音そのものより、この振動・圧迫感のほうがつらいという声も少なくありません。

故障ではないことが多い一方で、気にならなくするための対策は十分に可能です。

「カタカタ」「カラカラ」と鳴る音 = 傾き・ファンの干渉・冬の凍結

「カタカタ」「カラカラ」という、何かがぶつかったり擦れたりするような音は、設置状態に問題があるサインであることが多いタイプです。考えられる原因は主に3つあります。

ひとつは、本体が水平に保たれていない(傾いている)ケース。土台が傾くと内部のファンも傾き、他の部品とわずかに干渉して音が出ることがあります。固定用の器具や防振ゴムがズレている場合も同様です。

ふたつめは、周囲の物との接触・共振。本体に接するように物を置いていると、振動でぶつかって音が鳴ります。

そして3つめが、冬の凍結です。寒い時期に「カタカタ」が出始めた場合、ヒートポンプ内に入り込んだ水分が凍り、ファンに触れて音を立てている可能性があります。これは季節特有の現象で、対処法が他と異なります。

「ポコポコ」「ゴボゴボ」「シャー」という音 = 配管・冷媒の動作音(正常なことが多い)

「ポコポコ」「ゴボゴボ」「シャー」「コンコン」といった音は、お湯を沸かしたり、お湯張りや追いだきをしたりする際に出る正常な動作音であることがほとんどです。

エコキュートの内部では、冷媒ガスが流れたり、弁が開閉したり、ポンプが循環したりと、さまざまな動きが起きています。たとえば「シャー」は冷媒ガスが流れる音、「コンコン」は弁が動く音、「ウィーン」は給湯時の混合弁の音、というように、それぞれに役割があります。

実は、三菱電機などのメーカーは、公式サイトで正常な動作音のサンプル音源を公開しています。

「これって故障?」と不安になったら、お使いのメーカーの公式FAQで動作音サンプルを聞き比べてみると安心できます。ご自宅の音と一致すれば、まず心配はいりません。

⇒ 三菱公式サイト│エコキュートの貯湯ユニットからこんなときに音がする(聞こえる)

ただし、これらはあくまで「典型的には正常」というだけです。いつもと明らかに違う・大きくなった・頻度が増えたと感じる場合は、正常と決めつけず点検を受けてください。

「キーン」「ピーピー」「キュルキュル」という高い音 = 故障の疑い

ここからは注意が必要なタイプです。

「キーン」「ピーピー」「キュルキュル」「キーキー」といった、耳に残る高い音が聞こえる場合は、内部のモーター部などで摩擦が起きている可能性があります。これは正常な動作音とは性質が異なり、部品の劣化や故障のサインであることが少なくありません。

エコキュート施工課/落合祐太

実際に騒音がするとご相談いただいた機器を調べたところ、モーター部分の故障が原因で、稼働時に摩擦音が出ていた。という現場の報告もあります。放置すると症状が進み、ある日突然お湯が出なくなる、といった事態にもつながりかねません。

これまで聞いたことのない高い音が続くようであれば、早めにメーカーや施工業者へ相談することをおすすめします!

「ガガガ」「ガリガリ」という異音 = 今すぐ沸き上げを停止

最後に、最も急ぐべき音です。

「ガガガガッ」「ガリガリ」といった、明らかに何かが引っかかっているような激しい音がする場合は、ファンに異物が巻き込まれているあるいは凍結が広範囲に及んでいる可能性があります。

この状態のまま運転を続けると、ファンやモーターを傷め、致命的な故障につながる恐れがあります。

まずは沸き上げ(運転)を停止し、原因を確認してください。冬場で凍結が疑われる場合は、熱湯ではなく50〜60℃程度のぬるま湯を少しずつかけて様子を見ましょう。

あわせて読みたい
エコキュートが凍結したときの対処法は?冬場の凍結防止策と残り湯の活用法、何度から凍結するのかを解説! エコキュートは何度から凍結する?お湯が出ないときの対処法、残り湯を使った凍結予防方法、寒冷地に向いているエコキュートの選び方についても詳しく解説します!

エコキュートの室外機がうるさい・カタカタ鳴るのは凍結かも

「夏は静かだったのに、冬になってから室外機が急にうるさくなった」「朝方、室外機が”カタカタ””ガガガ”と鳴る」冬になると、こういった相談が増えます。

冬の音には、心配いらないものと、放っておくと故障につながるものの2種類があります。

そしてこの2つは、ご自身で見分けることができます。これから設置を検討中で「冬の室外機の音が不安」という方にも役立つ内容なので、順番に見ていきましょう。

冬に音が大きくなるのは”正常”なこともある

まず知っておきたいのは、冬にエコキュートの運転音が大きくなるのは、ある程度は自然なことだということです。

理由は2つあります。

ひとつは、外気温が下がると、お湯を沸かすためにヒートポンプがより多くのパワーを使うから。

エアコンも、寒い日のつけ始めは室外機がうなりますよね。あれと同じで、負荷が大きいぶん運転音も上がります。前の章のメーカー別dB表でも、冬期は中間期より数dB高くなっていたのを思い出してください。

もうひとつは、冬は使うお湯の量が増えるため、沸き上げの回数や時間が増えること。結果として「音がしている時間」が長く感じられます。

つまり、冬にいつもより少し大きい”ブーン”程度であれば、まず正常範囲と考えてよいでしょう。問題は、それがいつもと明らかに違う音になっているときです。

凍結か故障かの見分け方【3つのチェック】

冬の異音が「凍結」なのか「故障」なのかは、次の3点を確認すると判断しやすくなります。

① 気温は氷点下か?

凍結はその名のとおり、水分が凍ることで起こります。外気温が氷点下になる地域・時間帯で音が出ているなら、凍結の可能性が高まります。

逆に、氷点下にならない温暖な地域で一年中同じ音がするなら、凍結は考えにくくなります。

② 朝方や冷え込んだ時間帯だけか?

凍結が原因なら、最も冷え込む早朝や深夜に音が出て、気温が上がる日中には自然とおさまる傾向があります。「朝だけガタガタいうが、昼には静かになる」なら凍結のサイン。

一日中・季節を問わず鳴り続けるなら、別の原因(故障など)を疑います。

③ 音の種類は?

「カタカタ」「ガガガ」という、何かがぶつかる・引っかかるような音は、凍ったファンが干渉している可能性。一方、「キーン」「キュルキュル」といった高い摩擦音が常時続く場合は、凍結ではなくモーター部などの故障が疑われます。

この3つをまとめると、氷点下 × 朝方だけ × カタカタ/ガガガがそろえば凍結の可能性が高い=春になれば解消することが多い

逆に、気温に関係なく常時キーンという高音がするなら故障の疑い=早めの相談が必要、と線引きできます。

やってはいけないNG対応:熱湯をかけると割れます

凍結だとわかったとき、絶対にやってはいけないのが「熱湯をかける」ことです。

「凍っているなら熱いお湯で溶かせばいい」と考えてしまいがちですが、これは厳禁です。

冷えきった機器や配管に熱湯を急にかけると、急激な温度差で部品や配管が割れて、かえって深刻な故障や水漏れを引き起こす恐れがあります。良かれと思った対応が、修理費数十万円の事態を招きかねません。

同様に、ドライヤーやヒーターで一点を急加熱するのも避けてください。

正しい応急処置:50〜60℃のぬるま湯を少しずつ

凍結への正しい対処は、ぬるめのお湯を、ゆっくり が原則です。

具体的には、50〜60℃程度のぬるま湯を、凍結している部分(ヒートポンプユニットの配管まわりなど)に少しずつ、ゆっくりかけて溶かします。一気にではなく、様子を見ながら時間をかけるのがポイントです。

応急処置をする前には、まず沸き上げ(運転)を停止しておくと安心です。

凍結が広範囲に及んでいて自分では手に負えない場合や、解凍しても異音が続く場合は、無理をせず各メーカーの修理窓口や専門業者に相談してください。

エコキュート施工課/落合祐太

これから設置・買い替えを検討している方へ。冬の凍結や異音は、実は設置場所の選び方でかなり防げます。風当たりの強い場所や水はけの悪い場所を避けるなど、設置段階での配慮が効きます。


エコキュートの音がうるさいと感じるのは何故?

結論から言えば、エコキュートの運転音は、製品の仕様上は決して大きな音ではありません 

ところが、ある条件が重なると、実際の数値以上に「うるさい」と感じてしまう。ここにエコキュートの音問題の本質があります。順番に見ていきましょう。

エコキュートの運転音は約40〜50dB(図書館・静かな住宅街レベル)

各メーカーのカタログによると、エコキュートの運転音はおおむね40dB前後(条件によって40〜50dB程度)です。

この40dBという数字、ピンとこない方も多いはずです。環境省の生活騒音の資料に当てはめると、40dBは図書館の館内や静かな住宅街の昼間と同じくらい。

さらに身近な音と並べると、次のようなイメージになります。

  • 約50dB:書店の店内
  • 約60dB:エアコンの室外機/銀行の窓口周辺
  • 約70dB:新幹線の車内
  • 約80dB:航空機の機内

こうして並べてみると、エアコンの室外機(約60dB)よりも静かで、騒音と呼べるレベルからはかなり遠いことがわかります。

エコキュートがうるさいと感じる3つの理由

では、なぜ静かなはずのエコキュートなのに、うるさいと感じる人がいるのでしょうか。

理由は次の3つに集約されます。

①夜間に沸き上げをするから

エコキュートは、電気料金が安い深夜帯にお湯を沸かすように設定されているのが一般的です。

つまり、家の中がもっとも静まり返り、人が眠ろうとしている時間帯に稼働します。昼間なら生活音に紛れて気づかない音でも、夜間は嫌でも耳についてしまうのです。

②周囲の環境が静かすぎるから

交通量の少ない閑静な住宅街ほど、この問題は起きやすくなります。夜間の住宅街の暗騒音(背景の音)は30dB程度まで下がることもあり、そこに40dBの運転音が加わると、差し引き10dBほど「飛び出して」聞こえることになります。

同じ40dBでも静かな場所ほど目立つ。これが、体感のうるささを左右している可能性があります。

③低周波音という特殊な音だから

そして最大の理由がこれです。エコキュートのヒートポンプユニットは、約12.5Hzの低周波音を出します。

冷蔵庫の「ブーン」という低い唸りを思い浮かべてください。気にならない人には一生気にならない一方で、敏感な人にとっては睡眠を妨げるほどのストレスになります。

この低周波音は、dB(音の大きさ)の数字だけでは測りきれない不快感を生むのが厄介な点です。

覚えておきたい「体感dB」という視点

カタログのdBは、あくまで決められた条件で測った値です。「夜間×静かな環境×低周波音」という3条件がそろうと、数値は40dBでも体感は数段上に感じられます 音に敏感に反応してしまうのは、ごく自然なことです。

メーカー別の運転音dB一覧(容量別・冬期は数dB上がる)

「メーカーを替えれば静かになるのでは?」という疑問にお答えするために、主要メーカーの運転音を一覧にまとめました。

なお、運転音は外気温や貯湯タンクの容量によって変わるため、気温の穏やかな中間期(春・秋)と、負荷の大きい冬期で分けて示します。

メーカー370Lタイプ(中間期/冬期)460Lタイプ(中間期/冬期)
三菱約38dB / 約43dB約42dB / 約45dB
日立約38dB / 約43dB約42dB / 約44dB
ダイキン約38dB / 約44dB約40dB / 約45dB
パナソニック約38dB / 約43dB約42dB / 約45dB
コロナ約38dB / 約43dB約42dB / 約45dB

※各社カタログの公表値をもとにした参考値です。設置環境や測定条件によって実際の体感は変わります。正確な数値は各メーカーの最新カタログでご確認ください。

この表から見えてくるポイントは、2つあります。

1つは、メーカーによる運転音の差はほとんどないということ。どのメーカーを選んでも、運転音はほぼ横並びです。つまり、「今うるさいから、別メーカーに買い替えれば静かになる」とは言い切れません。

もう1つは、冬は中間期より数dB大きくなるということ。冬は外気温が低く、お湯を沸かすためにヒートポンプがより力を使うため、運転音が上がります。

冬になって急に音が気になりだしたという方が多いのは、これが理由のひとつです。

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エコキュートの音の正体は低周波音。なぜ家が揺れる感じがするのか

エコキュートの音の悩みの多くが「ブーン」という低い唸り=低周波音だとお伝えしました。

この低周波音、不思議な性質を持っています。家族の中でもまったく聞こえない人と眠れないほど気になる人に分かれたり、音というより”揺れ”や”圧迫感”として感じられたり。

人によってなぜ感じ方が変わるのか、その正体としくみを、できるだけかみくだいて解説します。

低周波音(約12.5Hz)とは?冷蔵庫の「ブーン」が身近な例

低周波音とは、周波数の低い音のことです。一般に100Hz以下の音を低周波音、なかでも20Hz以下を「超低周波音」と呼びます。

エコキュートのヒートポンプユニットが出す音は、およそ12.5Hz。これは超低周波音に近い、とても低い音です。

人の耳がはっきり「音」として聞き取れる範囲(おおむね20Hz以上)を下回っているため、多くの人にとっては音として意識されにくいという特徴があります。

身近な例でいえば、冷蔵庫の「ブーン」という低い唸り。普段はまったく気にならないのに、夜ふけて部屋が静まり返ったとたん、急に耳について気になりだした…そんな経験はないでしょうか。

エコキュートの低周波音も、これとよく似ています。

そしてもうひとつ、低周波音には、波長が長く、遠くまで伝わりやすい壁を通り抜けやすいという厄介な性質があります。

エコキュート専門ライターきよみ

一般的な音は壁や塀である程度さえぎれますが、低周波音はそれをすり抜けて室内まで届いてしまうため、「窓を閉めても消えない」「離れた部屋でも感じる」といったことが起こるのです。

木造住宅の「共振」で揺れを感じる

音というより、家がかすかに揺れている気がする…この感覚の正体は、共振(きょうしん)です。

すべての物体には、揺れやすい固有の周波数(固有振動数)があります。木造住宅の固有振動数は、およそ4〜8Hz

一方、エコキュートが出す低周波音は約12.5Hz。この2つの数字が近いため、エコキュートの振動が建物に伝わると、家がそれに”同調”して揺れを増幅してしまうことがあるのです。


ブランコを、タイミングよく押すと小さな力でどんどん大きく揺れるのと同じ原理です。わずかな振動でも、周波数が合うと建物全体に響き、地震のあとのような「グラグラする感じ」「立っているのがつらい感覚」として体に伝わることがあります。

特に、本体が壁や塀に囲まれた狭い場所にあったり、周囲に物が置かれていたりすると、振動が逃げ場を失って増幅されやすくなります。

エコキュート施工課/落合祐太

音は大きくないのに、なぜか体がしんどいという場合、この共振が関わっている可能性があります!

個人差が極端に大きい理由(聞こえる人/平気な人)

エコキュートの音問題が難しいのは、感じ方の個人差が極端に大きいことにあります。同じ家に住んでいても、片方は不眠に悩み、もう片方はまったく気づかない。そんなことが普通に起こります。

これは、低周波音に対する身体の感受性に個人差があるためと考えられています。低周波音は「耳で聞く」というより「体で感じる」要素が強く、その反応の強さは人それぞれ。年齢や体質、その日の体調、睡眠の深さによっても変わります。

睡眠への影響については、環境省の資料でも、眠りが浅い状態では、特定の周波数・音圧で目が覚めることがあるという実験結果が報告されています。つまり、「低周波音で眠れない」という訴えには、相応の根拠があるわけです。

ここで強調しておきたいのは、気になる人も平気な人も、どちらの感覚も正しいということです。気にならない家族に「神経質すぎる」と言われてつらい思いをしている方もいますが、感受性の違いはどうしようもないもので、あなたの感じ方が間違っているわけではありません。

逆に、自分が平気だからといって、近隣の方が同じとは限らないという視点も、のちのトラブル予防で重要になります!

誤解されがちな「基準値」の話

日本には、低周波音そのものに対する法的な規制値(基準値)は、現時点で定められていません。 環境省が示しているのは、あくまで苦情対応の目安となる「参照値」であり、これは「超えたら違法」という性質のものではないのです。 この参照値も、寝室で約9割の人が許容できるレベルを想定したもの。裏を返せば、1割程度の人は参照値以下でも不快に感じることになります。「数値は基準内なのに、つらい」という状況は、制度上あり得るんです。


エコキュートの騒音トラブルを防ぐための対策

工具

騒音トラブルを未然に防ぐには、設置場所の工夫が欠かせません。具体的な対策を解説します。

  1. 沸き上げ時間をずらす(無料・今日からできる)
  2. 設置の傾き・固定・周囲の物を見直す(共振の原因を断つ)
  3. 防振ゴム・防振パッドを敷く(最も費用対効果が高い)
  4. 防音シート・防音壁を使う(条件次第・選び方に注意)
  5. 静音世代のモデルへ買い替える(根本解決/補助金活用)

ポイントは、お金をかける前に、タダでできること・原因そのものを断つことから始めるという考え方です!

とくにエコキュートの悩みの中心である低周波音は、後述するように防音グッズで物理的にさえぎるのが難しいタイプの音です。

だからこそ、グッズ頼みになる前に、時間と設置の見直しが効いてきます。

① 無料:沸き上げ時間を夜間→昼間へずらす

最初に試したいのが、お金が一切かからない時間シフトです。

エコキュートの音が問題になる最大の要因は、前述のとおり静かな夜間に稼働することでした。であれば、沸き上げの時間帯を、生活音のある昼間にずらせば、同じ音量でも気にならなくなります。近隣への配慮としても有効です。

ただし、注意点があります。エコキュートは本来、電気料金が安い深夜帯にお湯を沸かすことで光熱費を抑える仕組みです。昼間に沸かすと、契約プランによっては電気代が上がる可能性があります。

さらに見落としがちなのが、「おまかせ運転」を安易に止めないことです。

各メーカーには、家庭の使用量を学習して最適な量・タイミングで沸かす省エネ機能が備わっています(パナソニックの「おまかせ節約」、三菱の「おまかせ」、ダイキンの「おまかせモード」など、名称は各社さまざまです)。

この機能を無効にして手動で夜間沸き上げを止めてしまうと、学習した最適化が崩れ、お湯が足りなくなったときに割高な昼間の電気で沸き増しするという本末転倒な結果を招くことがあります。

時間シフトを試すときは、いきなり夜間沸き上げを切るのではなく、リモコンの設定や契約プランを確認したうえで調整するのがおすすめです。

② 設置の傾き・固定・周囲の物の撤去(共振をふせぐ)

次に、お金をかけずに原因そのものを断つアプローチです。「カタカタ」「ブーン(共振)」で悩む方は、まずここを確認してください。

チェックすべきは次の点です。

  • 本体が水平に保たれているか(傾いていると内部のファンが干渉し、振動・音が増える)
  • 固定具や防振ゴムがズレ・外れていないか
  • 本体に接するように物を置いていないか(接触・共振の原因になる)
  • 壁や塀に囲まれた狭い場所で、音が反響していないか
  • エアコンの室外機が近くにないか(2つの音が干渉して”うなり”が出ることがある)

特に、周囲の物を少し離す・接触している物をどけるだけでも、共振が止まって音が軽くなるケースは少なくありません。

エコキュート専門ライターきよみ

お金をかける前に、まず本体まわりを点検することをオススメします。傾きや固定の問題が見つかった場合は、無理に自分で直そうとせず施工業者へ相談しましょう。

③ 防振ゴム・防振パッド(最も費用対効果が高い)

グッズを使うなら、最初の一手は防振ゴム(防振パッド)です。数千円程度から手に入り、費用対効果がもっとも高い対策と言えます。

エコキュートの悩みの本質は、音そのものよりも、振動が建物に伝わって増幅される(共振)ことにあります。防振ゴムは、ヒートポンプユニットの下に敷くことで、その振動が地面や建物に伝わるのをやわらげます。

土台にじかに置かれている場合は、特に効果を実感しやすい対策です。低コストで、低周波音からくる揺れる感じにアプローチできるため、まず試す価値があります!

④ 防音シート・防音壁(選び方と”逆効果”の注意点)

最後にグッズの本命とされがちな防音シート・防音壁ですが、ここには**正直にお伝えすべき”限界”**があります。

まず大前提として、エコキュートの低周波音は、防音壁では防ぎにくい音です。低周波音は波長が長く、壁を回り込んだり通り抜けたりする性質があるため、ある程度の高さや厚みの壁では十分にさえぎれません。

技術的に防ごうとすると分厚いコンクリート壁が必要になり、現実的でないことがほとんどです。「防音壁さえ立てれば解決」というグッズ万能論は、低周波音には当てはまらないのです。

そのうえで、使う場合の注意点です。

  • 防音シート:中〜高音にはある程度効きますが、ファンや排気口を絶対にふさがないこと。 ふさぐと放熱できず故障の原因になります。
  • 防音壁:安価で簡易的なものは、音が反響してかえって大きくなることがあります。吸音性の高い素材を選び、本体に近すぎると放熱効率が落ちる点にも注意が必要です。

つまり防音グッズは、低周波音には限界があり、選び方を誤ると逆効果。中高音の異音や、近隣への音の広がりを抑える”補助的な手段”として位置づけるのが正解です。

何を選べばよいか迷う場合は、設置環境を見たうえで専門業者に相談するのが確実です。

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近隣トラブルを防ぐ・解決する設置場所の工夫と対策

エコキュートの音の問題が、ご近所との関係に発展しないか心配な方もいるかもしれません。

覚えておいてほしいのが、これから設置する場合、最初の置き場所選びでトラブルの大半を防げるということ。

ここでは、検討中の方に向けた予防のための設置の工夫と、すでにお困りの方に向けた苦情が来たときの穏当な対応手順の両方をご紹介します。

トラブルを防ぐエコキュートの設置場所

エコキュートの音対策で最も効果が高いといわれているのが、最初の設置場所選びです。一度据え付けると簡単には動かせないので、これから設置・買い替えをする方は、ここを最優先で押さえてください。

推奨箇所は次のとおりです。

  • 自宅・隣家の寝室から離す:エコキュートは夜間に稼働します。寝室からは10〜15mほど離すのが目安とされます。
  • 窓・換気口・床下の通気口から離す:これらの開口部は、壁よりも音が侵入しやすい”音の入り口”です。
  • ヒートポンプの正面(吹き出し方向)を、人のいる方へ向けない:道路側や、夜間に人がいない方向へ向けるのが無難です。
  • 壁や塀に囲まれた狭い場所を避ける:音が反響して増幅され、メガホンのように特定方向へ集中することがあります。
  • エアコンの室外機と近づけすぎない:2つの音が干渉して”うなり”が出ることがあります。
  • 水平に設置し、防振ゴムを併用する:傾きと振動を抑え、共振を防ぎます。

特に見落とされがちなのが、隣家への配慮です。

自宅から遠ざけたつもりでも、その先が隣家の寝室の真ん前だったというケースもあります。可能であれば、設置前に隣家へひと声かけ、間取りを確認できると理想的です。

気まずく感じる場合は、お住まいの自治体に相談する方法もあります。

エコキュートの騒音に配慮。離すべき「距離」の目安

エコキュートの室外機から出る低い音(低周波音)は、夜間に響きやすいため、一定数以上の距離を確保することが有効な対策です。

注意すべき場所適切な距離の目安理由
隣家の境界線1m〜2m以上音や振動が直接伝わるのを防ぐため。
寝室の窓・換気口できるだけ遠ざける窓周辺は音が室内に侵入しやすいため。
壁や塀との間隔規定寸法+余裕をもつ狭い空間は音が反響して大きくなるため。

音問題は苦情に発展しやすい

騒音は、公害苦情全体の中でも件数の多い分野です。

総務省・公害等調整委員会の調査によると、令和5年度(2023年度)の全国の公害苦情受付件数は69,153件にのぼります。このうち騒音は最も苦情が多い種類を占めており、身近な問題であることがわかります。

引用:総務省│令和5年度公害苦情調査

ただし、これは「エコキュートがうるさい」という話ではありません

ごく一部で起こりうる事例であり、適切な設置と配慮で大半は防げます。自分は平気でも、近隣の方には影響があるかもしれないという視点だけは持っておくと安心です。

隣家から苦情が来たら:穏当な5つの対応手順

もしも「お宅のエコキュート、夜うるさいんだけど」などと言われてしまったら…。

慌てて謝りすぎたり、逆に自分には聞こえないと突っぱねたりするのは、どちらもこじれのもとです。次の順序で、穏当に・段階的に進めるのがおすすめです。

苦情対応の手順

STEP
事実確認

まず、いつ・どの時間帯に・どんな音が気になるのかを丁寧に聞いてみてください。沸き上げ時間と一致するか確認し、感情的な対立にしないことが第一です。

STEP
据付・設置状態のチェック

本体が水平か、固定具や防振ゴムにズレがないか、周囲に反響を生む壁や物がないかを確認します。

STEP
防振・防音、必要なら移設の検討

前述した、防振ゴム・時間シフトなどを試します。それでも改善せず、設置場所に根本的な問題がある場合は、ヒートポンプユニットの移設も選択肢になります。

STEP
自治体の公害苦情相談窓口へ

当事者同士で解決が難しいときは、いきなり法的手段に進む前に、お住まいの自治体(市区町村)の公害苦情相談窓口に相談してみてください。中立的な立場で助言や調整をしてもらえます。

STEP
専門家への相談

それでも解決しない場合に、騒音測定の専門業者や、必要に応じて法律の専門家へという順序です。最初から構える必要はありません。

低周波音は測ってみたら参考値以下だったということも多くあります。先に解説したとおり、日本には法的な規制値はありません。なので、対立ではなく、設置の見直しと話し合いで着地させるのが、結局いちばん早い解決になります。

近年は、こうしたガイドブックがメーカーや施工業者へ周知され、正しい設置方法が定着しています。 ぜひその点は安心して業者におまかせくださいね。


エコキュートの音に関するよくある質問(FAQ)

最後に、エコキュートの音についてよく寄せられる質問にお答えします。

冬だけエコキュートがうるさいのですが、放置して大丈夫ですか?

冬に少し大きくなる程度なら正常範囲ですが、音の種類によっては対処が必要です。

冬は外気温が下がってヒートポンプの負荷が増えるため、運転音がやや大きくなるのは自然なことです。

ただし、「カタカタ」「ガガガ」という音が氷点下の朝方だけ鳴る場合は、凍結の可能性があります。凍結は春になれば解消することが多い一方、放置すると故障につながることもあります。

また、キーンという高い音が常時続く場合は、凍結ではなく故障の疑いがあります。

賃貸住宅で、隣の部屋(隣家)のエコキュートがうるさいときは?

まずは管理会社・大家さんに相談するのが基本です。

自分の所有物ではないエコキュートの場合、直接隣人に苦情を言うとトラブルになりがちです。

賃貸であれば、まず管理会社や大家さんに状況を伝え、対応を相談しましょう。

持ち家同士の場合は、感情的にならずに事実(いつ・どんな音が気になるか)を共有し、それでも解決しなければ、お住まいの自治体の公害苦情相談窓口に間に入ってもらう方法があります。

買い替えれば、どれくらい静かになりますか?

メーカーを変えても劇的には変わりませんが、”世代”が新しくなると低周波音は抑えられています。

同じ時期のモデルであれば、メーカー間の運転音の差はごくわずかです。

一方で、エコキュートは年々改良が重ねられ、古い機種に比べて新しい機種は低周波音の発生が抑えられてきています。10年以上前の機種からの買い替えであれば、静音性の向上を実感できる可能性があります。

パナソニックのエコキュートは音が大きいと聞いたんですが、本当ですか?

特定のメーカーが際立ってうるさい、という事実はありません。

「騒音 パナソニック」などで検索される方もいますが、これはパナソニックに限った話ではなく、主要メーカー(パナソニック・三菱・日立・ダイキン・コロナ)の運転音は、ほぼ横並びです。

特定メーカーの音が気になる場合、多くは機種そのものより設置場所・設置状態・周囲の環境が原因です。

夜間の沸き上げを止めても、電気代は大丈夫ですか?

安易に止めると、かえって電気代が上がることがあります。

うるさいから夜間の沸き上げを止めようと考える方もいますが、注意が必要です。

エコキュートは電気料金の安い深夜帯にお湯を沸かすことで光熱費を抑えています。これを手動で止めてしまうと、お湯が足りなくなったときに割高な昼間の電気で沸き増しすることになり、結果的に電気代が高くなることがあります。

音が気になる場合は、夜間運転を完全に止めるのではなく、防振ゴムや設置の見直しなど他の対策から試すのがおすすめです。

エコキュートの音で、本当に体調を崩すことがあるのですか?

個人差が非常に大きく、敏感な方では不眠や頭痛などを訴えるケースも0とは断言できません。

低周波音への感受性は人によって大きく異なり、まったく気にならない人がいる一方で、睡眠を妨げられたり不快感を覚えたりする人もいます。

ただし、これはごく一部のケースです。気になる場合は我慢せず、設置の見直しや対策を講じることが大切です。


まとめ:エコキュートの音は、正しく見分ければ怖くない

親子が笑顔で見つめあっている

最後に、この記事の要点を3つのポイントで振り返ります。

  • 音の”大きさ”自体は問題ない:エコキュートの運転音は約40dB。図書館や静かな住宅街の昼間と同レベルで、数値上はむしろ静かな部類です。
  • 本当の原因は「低周波音」と「設置・季節」:「ブーン」という低い唸りや、冬の「カタカタ」には、それぞれ理由があります。感じ方の個人差が大きいのも特徴です。
  • 多くは自分で対処でき、根本解決は”静音モデル+補助金”:時間シフトや防振ゴムなど無料〜低コストの対策が有効。それでも解決しないなら、2026年の補助金を使った静音モデルへの買い替えが最終手段になります。

「うるさい」と感じていた音も、種類を見分けてしまえば、放っておいていいのか・対処すべきなのかがはっきりします。まずは落ち着いて、ご自身の状況に合った次の一歩を選んでください。


いまエコキュートが「うるさい・異音がする」と困っている方

 対策を試しても改善しない、あるいは「キーン」「ガガガ」など故障が疑われる音がする場合は、一度プロに見てもらうのが安心です。設置状態の不具合や部品の劣化は、自分では気づきにくいもの。

もし設置からしばらく年数がたち、製品の劣化が感じられるようでしたら、寿命が近づいているサインかもしれません。エコキュートを専門に取り扱う当店の専任スタッフまで、お気軽にご相談ください。

2026年は、給湯省エネ2026事業を使って高効率なエコキュートに替えるチャンスです!

条件次第で最大12〜14万円の補助が受けられ、夜間に音を出さない「おひさまエコキュート」なら騒音問題も構造的に避けることができます。

補助金は予算上限に達し次第終了の早い者勝ち。対象モデルの見積もりは早めの確認がおすすめです。

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まだ自分の音がどれか迷っている方は焦って業者に連絡する前に、まずは音の種類を確かめてみてくださいね。気になる音を選ぶだけでも、原因と緊急度がわかります。

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長谷川 きよみ

エコキュート・ガス給湯器専門ライター

長谷川 きよみ

エコキュート専門店スタッフ。住宅設備に関する幅広い知識を持つ。
自宅に設置したエコキュートの実際の使い心地をふまえた、分かりやすい情報をお届けします。
2児の母として、家庭で使いやすい設備選びや、日々の暮らしや家計に寄り添った発信を心がけています。

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